Wi-Fiルーターの勘定科目は?耐用年数や経費(消耗品費・通信費)の仕訳を解説

Wi-Fiルーターの勘定科目は?耐用年数や経費(消耗品費・通信費)の仕訳を解説

wifiルーターを事業用に購入・利用する際、「この支払いはどの勘定科目で処理すればいいの?」「耐用年数は何年で減価償却するべき?」「月々の利用料も経費になる?」といった疑問を持つ法人担当者や個人事業主の方も多いでしょう。

Wi-Fiルーターの経費処理は、購入金額によって勘定 科目や処理方法が異なります。

この記事では、wifiルーター購入時の勘定科目の判断基準、耐用年数減価償却の考え方、月々の利用料の処理、そして具体的な仕訳例まで、経理処理に必要な知識をわかりやすく解説します。


Wi-Fiルーター購入費用の勘定科目は?金額で判断

wifiルーターを購入した際の勘定科目は、その取得価額(購入金額)によってどの経費として処理するかが変わってきます。

【10万円未満】の場合:「消耗品費」として一括経費計上

購入金額が1台あたり10万円未満の場合は、勘定科目消耗品費(しょうもうひんひ)」として、購入した年度に一括で経費計上するのが一般的です。

会計処理がシンプルで、多くのwifiルーターがこの範囲に収まるでしょう。

【10万円以上20万円未満】の場合:一括償却資産として3年均等償却

購入金額が10万円以上20万円未満の場合は、「一括償却資産」として処理することができます。

これは、個別の耐用年数に関わらず、3年間で均等に減価償却経費化)していく方法です。

これも実務上よく用いられる処理です。

【20万円以上】の場合:「工具器具備品」として減価償却

購入金額が20万円以上の場合(高性能な業務用ルーターなど)は、原則として勘定科目「工具器具備品(こうぐきぐびひん)」として固定資産に計上し、後述する法定耐用年数に基づいて減価償却を行なっていく必要があります。

中小企業者等の少額減価償却資産の特例(30万円未満)について

青色申告を行っている中小企業者や個人事業主の場合、「少額減価償却資産の特例」を利用できる場合があります。

これは、取得価額が30万円未満の資産であれば、年間合計300万円を上限として、一括でその年度の経費(損金)にできる制度です。

高性能なwifiルーターでも、この特例の対象となるケースは多いでしょう。


Wi-Fiルーターの法定耐用年数は何年?減価償却の計算

10万円以上(または20万円以上)で資産計上した場合、法定耐用年数に基づいた減価償却が必要です。

Wi-Fiルーターの法定耐用年数は?

Wi-Fiルーターの法定耐用年数は、その機能や構造によってどの区分に当てはめるか解釈が分かれることがありますが、実務上は以下のいずれかで処理されることが多いです。

  • サーバー機能を有しないルーターやハブ等:
    「工具器具備品」の「事務機器及び通信機器」のうち「その他の事務機器」に該当するものとして**「5年」減価償却**するケース。
  • 電話設備その他の通信機器:
    デジタル構成のルーター等を「デジタル構内交換設備」に類するものとして**「6年」、または「その他のもの」として「10年」減価償却**するケース。

どの耐用年数を採用するかは、機器の実態や企業の会計方針に基づき、顧問税理士などの専門家と相談して決定するのが最も確実です。

一般的には「5年」または「6年」が選択されることが多いようですが、業務用途で複雑な機能を持つものは「10年」とされる場合もあります。

減価償却の計算方法(定額法・定率法)の概要

減価償却とは、資産の購入費用をその耐用年数にわたって分割して経費計上していく手続きです。

主な計算方法として、毎年一定額を経費にする「定額法」と、毎年一定の割合(償却率)で経費にする「定率法」(購入初期の経費額が大きくなる)があります。

個人事業主は原則「定額法」、法人は原則「定率法」ですが、届出によって変更も可能です。


インターネット利用料金(プロバイダ料)の勘定科目は?

wifiルーター本体の購入費用とは別に、インターネットを利用するために毎月支払うプロバイダ料金や回線使用料も経費になります。

一般的には「通信費」として経費計上

これらの月額(または年額)で発生する費用は、勘定科目通信費(つうしんひ)」として処理するのが最も一般的です。

電話代や郵便代などと同じ区分になります。


個人事業主が自宅兼事務所で使う場合の家事按分

個人事業主の方が、自宅兼事務所で同じwifiルーターとインターネット回線をプライベートと事業の両方で使っている場合は、「家事按分(かじあんぶん)」という考え方が必要です。

家事按分の考え方:事業で使用した割合分を経費にする

家賃や光熱費と同様に、wifiルーターの購入費用(減価償却費または消耗品費)や月々の通信費も、全額ではなく、事業で使用した割合分だけを経費として計上する必要があります。

按分割合の合理的な基準(使用時間、使用面積など)

按分の割合は、税務署に対して説明できる合理的な基準で設定する必要があります。

例えば、「1週間のうち事業でPCを使う時間(例:週40時間) ÷ 1週間の総時間(168時間)」といった「使用時間」で按分する、あるいは、事務所スペースが明確に分かれている場合は「床面積」で按分するなどの方法が考えられます。

ルーター本体購入費と通信費それぞれの按分計算例

例えば、5万円のルーターを購入し、事業使用割合が50%の場合、「消耗品費 25,000円」を経費計上します。

同様に、月々の通信費が5,000円で事業使用割合が50%なら、毎月「通信費 2,500円」を経費計上します。


仕訳例:Wi-Fiルーター購入時と通信費支払い時の記帳方法

最後に、具体的な仕訳例を見てみましょう(複式簿記の場合)。

仕訳例(消耗品費として購入した場合)

8万円のwifiルーターを現金で購入した場合(個人事業主で全額事業用)。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
消耗品費80,000現金80,000Wi-Fiルーター購入

仕訳例(通信費を支払った場合)

プロバイダ料金5,000円が事業用口座から引き落とされた場合。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
通信費5,000普通預金5,000プロバイダ利用料

法人向けルーター選びのポイント

そもそも経費として処理する業務用途のルーターは、家庭用とは異なる選び方が必要です。


まとめ

wifi ルーター勘定 科目耐用年数経費処理について解説しました。

  • 購入費用の勘定科目: 金額が判断基準。
    • 10万円未満: 「消耗品費」で一括経費
    • 10万円以上20万円未満: 「一括償却資産」で3年償却。
    • 20万円以上: 「工具器具備品」で法定耐用年数に基づき減価償却
    • 中小企業の特例: 30万円未満なら一括経費消耗品費など)も可能。
  • 法定耐用年数: 「5年」「6年」「10年」などが考えられるが、実態に合わせて専門家と相談するのが確実。
  • 月額利用料: 勘定 科目通信費」で経費処理。
  • 個人事業主: 家事按分(事業使用割合)を忘れずに。

wifi ルーターの会計処理は、取得価額がポイントです。

特に高額な業務用ルーターを導入する際は、耐用年数や特例の適用について、顧問税理士などの専門家にご相談ください。

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