「wifiルーターを天井に設置したら、電波が強くなるって本当?」「メリットやデメリット、配線の方法が知りたい」
Wi-Fiルーターの設置場所として、電波効率が良いとされる「天井」。
しかし、実際に家庭で行うにはハードルが高そうに感じますよね。
この記事では、wifi ルーターの天井設置は本当にアリなのか、その具体的なメリットとデメリット、そしてDIYでの取り付け方法や注意点について詳しく解説します。
オフィスなどでは一般的ですが、家庭での天井設置を検討している方は、その効果と難易度をしっかり理解しておきましょう。
Wi-Fiルーターを天井に設置するメリットとは?
なぜ天井への設置が電波効率に良いとされるのでしょうか。
その主なメリットを3つご紹介します。
メリット1:電波が広範囲に届きやすい(障害物回避)
Wi-Fiの電波はルーターを中心に球状に広がりますが、床や家具、壁などの障害物に当たると減衰(弱く)してしまいます。
天井の高い位置に設置することで、これらの障害物を物理的に回避しやすくなります。
特に、遮蔽物の少ない天井付近から電波を飛ばすことで、1階から2階へ、または部屋から部屋へと、より広範囲に効率よく電波を届けることが期待できます。
メリット2:床や棚のスペース確保、見た目スッキリ
Wi-Fiルーターは意外と場所を取り、リビングの棚の上や床に置くと、生活スペースを圧迫したり、配線がごちゃごちゃして見た目を損ねたりしがちです。
天井に設置すれば、これらの問題が一気に解決します。
床や棚のスペースを有効活用でき、ルーター本体や配線が目に入らなくなるため、部屋全体をスッキリと見せることができます。
メリット3:子供やペットの手が届かない安全性
床や低い棚にルーターを置いていると、小さなお子様やペットが触ってしまったり、ケーブルに足を引っかけて倒してしまったりする危険があります。
天井に設置すれば、物理的に手が届かなくなるため、誤操作や転倒による故障のリスクを防ぎ、安全性を高めることができます。
Wi-Fiルーター天井設置のデメリットと注意点
メリットの多い天井設置ですが、家庭で行うには大きなデメリットやハードルが存在します。
デメリット1:設置工事(配線)の難易度が高い
最大のデメリットは、設置工事の難易度です。
天井までLANケーブルと電源ケーブルを這わせる必要があり、見た目をきれいにしようとすれば、壁の中や天井裏に配線を通す専門的な作業が伴います。
DIYでの実施は難しく、専門知識や工具が必要です。
デメリット2:電源(コンセント)の確保が課題
天井付近には、通常ルーター用のコンセントはありません。
ルーターの電源をどう確保するかが大きな課題となります。
近くのコンセントから延長コードを這わせる方法もありますが、見た目が悪くなりがちです。
天井裏に電源を新設するには、電気工事士の資格が必要な作業となります。
デメリット3:再起動やメンテナンスの手間
Wi-Fiルーターは、不具合が発生した際に再起動(電源の抜き差し)が必要になることがよくあります。
天井に設置してしまうと、その都度、脚立などを使って高所にアクセスする必要があり、メンテナンス性が著しく低下します。
デメリット4:熱がこもりやすい可能性
ルーターは動作中に熱を発します。
天井付近は暖かい空気が溜まりやすく、密閉された空間(天井裏など)に設置すると熱がこもり、熱暴走による動作不安定や故障の原因になる可能性があります。
天井設置の方法:DIYと業者依頼の比較
もし天井設置に挑戦する場合、どのような方法があるのでしょうか。
DIYでの設置方法と必要な道具(自己責任)
DIYで天井に設置する場合、ルーター本体を取り付けるための金具(マウントキット)や、ケーブルを固定するステップル、配線を隠すモールなどが必要です。
天井に穴を開けるドリルや、ケーブルを通すための工具も必要になるかもしれません。
ただし、電源工事が伴う場合は電気工事士の資格が必須であり、火災などの危険も伴うため、DIYは推奨されません。
配線を隠す方法(モール、天井裏配線)
最も手軽な配線の隠し方は、壁や天井の隅にケーブルカバー(モール)を貼り付ける方法です。
これならDIYでも比較的簡単に行えます。
天井裏にケーブルを通す方法は最も見た目がスッキリしますが、建物の構造を理解している必要があり、専門的な技術が求められます。
専門業者に依頼する場合
安全かつ確実、キレイな仕上がりを求めるなら、電気工事業者やネットワーク工事の専門業者に依頼するのが最善です。
LAN配線工事と電源工事を併せて依頼することになります。
費用はかかりますが、家の構造に合わせた最適な方法で設置してもらえます。
天井設置に適したルーターや機器
天井設置の課題を解決しやすい、専用の機器も存在します。
PoE給電対応アクセスポイント(AP)の活用
天井設置で最もスマートな方法が「PoE(Power over Ethernet)」対応のアクセスポイント(AP)を利用することです。
PoEとは、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給の両方を行える技術です。
これなら、天井まで電源コンセントを用意する必要がなく、LANケーブルの配線だけで設置が完了します。
家庭用ルーターではなく、業務 用のアクセスポイント(AP)に多い機能ですが、近年は家庭向けに近い製品も増えています。
専用マウントキット(取り付け金具)の利用
天井や壁面にルーターやAPを固定するための専用マウントキット(取り付け金具)が、メーカーやサードパーティから販売されている場合があります。
これらを利用することで、安全かつ安定した設置が可能になります。
天井設置以外の最適な場所
天井設置のハードルの高さを考えると、家庭では現実的でないケースも多いです。
天井にこだわらず、「家の中心付近」で「床から1~2mの高さ」にある「障害物の少ない場所(棚の上など)」を探すことが、最も手軽で効果的な方法と言えます。
まとめ
wifi ルーターの天井設置について、そのメリット・デメリット、方法を解説しました。
- メリット: 電波効率(障害物回避)、省スペース、安全性(子供・ペット対策)。
- デメリット: 設置工事(配線・電源確保)の難易度が高い、メンテナンス性が悪い、熱がこもりやすい。
- 設置方法: DIYは難易度が高く危険も伴うため、専門業者への依頼が推奨される。
- 最適な機器: 電源確保が不要な「PoE対応アクセスポイント」が天井設置には最適。
家庭での天井設置は、電波効率のメリットは大きいものの、設置のハードルが非常に高いのが実情です。
まずは、天井以外の「高くて開けた場所」への設置を見直すことから始めてみましょう。
それでも電波が届かない場合は、天井設置よりも「メッシュWi-Fi」システムの導入を検討する方が、現代の戸建てや広いマンション環境においては現実的かつ効果的な解決策となるでしょう。

