「wifiルーターの向きって、適当に置いてるけど大丈夫?」「アンテナが何本かあるけど、方向は全部上に向けてる」「置き場所や高さで電波の強さが変わるって本当?」
Wi-Fiルーターのアンテナの向きや置き場所、高さ。
これらを少し工夫するだけで、Wi-Fiの電波が強くなり、通信速度が改善する可能性があることをご存知でしょうか。
特にアンテナが外付けのモデルでは、その方向を調整することが非常に重要です。
この記事では、Wi-Fiの電波が飛ぶ仕組みといった基礎知識から、アンテナ内蔵・外付けタイプ別に、電波を強くするために今すぐできる最適な向き・角度・置き場所・高さの調整方法を徹底解説します。
なぜWi-Fiルーターの「向き」と「置き場所」が重要なのか?
Wi-Fiルーターの向きや置き場所が、なぜ通信速度が改善されるほど重要なのでしょうか。
それはWi-Fiの「電波の飛び方」に理由があります。
Wi-Fiの電波はどのように飛んでいる?全方向への広がり
Wi-Fiルーターから出る電波は、特定の方向だけに飛んでいるわけではなく、基本的にはルーター本体(またはアンテナ)を中心に360度、球状(あるいはドーナツ状)に全方向へと広がっていきます。
壁や障害物、距離による電波の減衰を最小限にするため
電波は、ルーターからの距離が遠くなるほど弱くなります。
また、壁や家具、床、天井、さらには家電製品といった「障害物」を通り抜けるたびに、その強さが減衰(弱く)してしまいます。
そのため、ルーターの置き場所や向きが悪いと、使いたい場所に届くまでに電波が弱くなりすぎてしまい、速度が改善しないどころか、繋がりにくくなるのです。
設置場所と向きの最適化で通信速度は改善できる
逆に言えば、ルーターの置き場所を家の中心に近づけたり、障害物を避けられる高さに設置したり、アンテナの向きを調整したりすることで、電波の減衰を最小限に抑え、家中で電波が強く届くようになり、結果として通信速度が改善する可能性が高まるのです。
電波強度アップ!Wi-Fiルーター設置の基本原則
アンテナの向きを考える前に、まずは最も重要な「置き場所」の基本原則(鉄則)を確認しましょう。
これらを守るだけで、電波状況は大きく変わります。
原則1:家の「中心」に近い場所に置く
ルーターを家の隅や窓際に置くと、電波の半分近くが家の外に無駄になってしまいます。
できるだけ家全体の地理的な中心に近い場所(例えば、各部屋に行きやすい廊下やリビングの中央付近など)に置くのが理想です。
原則2:床から「1~2m」の高さに設置する
床に直接置く(床置き)のは絶対に避けてください。
電波が床材に吸収されたり、低い位置にある家具に遮られたりしてしまいます。
最低でも床から1メートル、できれば1.5メートルから2メートル程度の高さ(棚の上など)に設置するのがベストです。
原則3:周囲に「障害物がない」開けた場所に置く
ルーターの周囲は、できるだけ開けた空間にしましょう。
棚の中やテレビの裏、他の家電製品(特に電子レンジやコードレス電話)のすぐそば、水槽の近くなどは、電波が遮られたり干渉したりする原因になるためNGな置き場所です。
最適な設置場所を見つける
これらの原則を踏まえた上で、ご自宅の最適な置き場所を探してみてください。
アンテナの「向き」で電波の飛び方が変わる!
適切な置き場所と高さを選んだら、次にアンテナの向きを調整します。
特に外付けアンテナモデルでは効果が出やすいです。
アンテナ内蔵タイプのルーターの向きの考え方
アンテナ内蔵タイプは、アンテナの向きを調整する必要はありません。
アンテナが内部で最適化されており、全方向に均等に電波が飛ぶように設計されているため、向きよりも「設置場所の基本原則」を守ることの方が重要です。
アンテナ外付けタイプの効果的な向き調整方法
外付けアンテナ(棒状のもの)は、アンテナに対して垂直な方向(ドーナツ状)に最も電波が強く飛ぶ特性があります。
- ワンフロア(マンションなど)の場合:
アンテナをすべて「垂直」に立てるのが基本です。
これにより、電波が水平方向(横方向)に最も強く広がり、同じフロアの広範囲をカバーできます。 - 戸建て(2階建て・3階建て)の場合:
アンテナをすべて垂直に立てると、真上や真下(階上・階下)への電波が弱くなることがあります。
この場合、複数本あるアンテナのうち、何本かを「水平(横向き)」や「斜め」に倒す調整が有効です。
これにより、水平方向と垂直方向の両方をカバーしやすくなります。
戸建て(縦方向)とマンション(横方向)でのアンテナ向きの違い
結論として、利用環境が「横に広い」のか「縦にも広い」のかで、最適なアンテナの向きは変わります。
- マンション(横): 全アンテナを垂直(立てる)にして、水平方向のカバー範囲を最大にします。
- 戸建て(縦横): アンテナを垂直・水平・斜めなど、異なる向きに調整し、360度全方向をカバーできるようにします。
設置場所と向きを見直しても改善しない場合は?
これらの調整を行っても通信速度が改善しない、または電波が強くならない場合は、他の要因が考えられます。
ルーターの性能(規格やアンテナ数)が不足しているかも?
家の広さや接続するデバイスの数に対して、wifi ルーター自体の性能(対応規格が古い、アンテナ数が少ないなど)が不足している可能性があります。
ルーターの買い替えも検討しましょう。
中継器やメッシュWi-Fiの導入を検討する
戸建てや広いマンションなど、構造的にどうしても電波が届きにくい場所がある場合は、Wi-Fi中継器や、より根本的な解決策であるメッシュWi-Fiシステムの導入が最も効果的です。
まとめ
wifi ルーターのアンテナの向きや置き場所、高さが、電波を強くし、通信速度が改善する上で非常に重要であることを解説しました。
- 最重要は「置き場所」: まずは「家の中心」「床から1~2mの高さ」「障害物のない場所」に設置すること。
- アンテナ内蔵タイプ: 向きは気にせず、「置き場所」の原則を守る。
- アンテナ外付けタイプ(マンション): 基本は全アンテナを「垂直」に立て、水平方向をカバー。
- アンテナ外付けタイプ(戸建て): アンテナを「垂直」と「水平(斜め)」に調整し、上下左右全方向をカバー。
- 改善しない場合: 設置場所の見直し、または中継器・メッシュWi-Fi、高性能ルーターへの買い替えを検討する。
アンテナの向きや置き場所の調整は、コストをかけずに今すぐ試せる最も効果的な速度改善策の一つです。
ぜひ、ご自宅のwifi ルーターの設置状況を見直してみてください。

